「今年の夏は、暑かった」
???「ねぇマスター。 季節感ってことば、知ってる?」
何を言い出すかと思えば、そんなことか。
もちろん知っているし、いまが夏じゃないのは百も承知してる。
「いまの外の気温、3度だよ。 だいたい雪積もってるし!」
仕方がないのだよ、アイネス君。
たとえ大晦日の掃除がなくっても、このずう〜っと取っておいた2010年猛暑の名残り…いやさ思い出を、撮影小物に使えるチャンスはおそらく今日が最後ということを。
――どうか判ってほしい。
…というわけで、記録的なこの夏の猛暑(ここ数十年間の平均気温を押し上げた)を振り返るべく、あーんど蔵出し一掃でやっちます。
???「それで、わたくしの出番はまだですの?」
韋駄天のイーダさんには、もうすこしだけ待ってもらいたい。
■ ■ ■
「この蝉の翅、なんだかこうしてみると楽器みたいですね」
昨年とっておいたやつは、いつの間にか虫に食べられちゃってたけどなー。
「翅をこすってシグナル奏でるのは、また別の虫の領分ですけれど。
――これをそのままガラス細工に仕立てれば、【アール・ヌーヴォー調】ということになりますね(お手伝い:歴史知識)」
生物のつくるパターンだけでも奇麗なものだけどね。
おまけ……ビスケット!
小物はメガハウスの「カフェdeケーキ」より。
ティープレートに、カップ用のくぼみとビスケット置き場があるのが、すごい、ウェル子さん向きの、クールさ。
食堂で、定位置に几帳面におかれたビスケット *1を、はくはくと食しているウェルクストラ型を想像しただけで、ちょっと幸せになれる。
■ ■ ■
「…………、………………。 ………(アザミ野を抜けた先、鬼の脛ヶ丘あたりまで来ると、いよいよ瘴気はむせ返るほどに濃くなってきた。 地のあちこちには穴が穿たれ、木々からぶら下がる飴色をした蟲たちが、奇妙なうごめく果実のように黒森を揺)」
「はい! 導入はもういいよブリュッケマン」
「…………(どうやら貴方には、エピック適性というものが欠けているようですね、戦乙女型のアイネス)」
「真夏の冒険譚の再現フィルムもいいけどさー、なんで虫の死骸を肴に一杯やらなきゃいけないわけ?」
「………(くじら座タウ星の移動キャラバンでは、日常茶飯事でしたよ?)」