駆け込み感想・シンシア(仮)
宵闇どきの、月齢4.2の月がきれい。
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えー、ここ数日の装甲戦線記(Panzer Front)でも、と思ってたけど、
夜買ってきた高遠るい『CYNTHIA_THE_MISSION』6巻――同時2冊刊行の、外伝のほう――が傑作だったので報告だけでも。
“邪眼ボクサー”こと少年・島原カルロスと、その若き眩術の師匠・紫水ほたるの、時系列を交差させてのエピソード。
フェイクとギミック満載の邪眼ボクサー編(その前史〜リング上の現在〜)も、蘊蓄と胡散臭さのバランスが大層愉快なことになっていてよろしいんですが、
“紫水ほたるの最後の犯罪”とでも言うべき後半パートが、その苦いネームや時系演出ふくめて最高だった。
西暦2005年 10代最後の年を、対テロ戦争同盟下の平和日本でむかえた少女のはなし。
冒頭やラストの引用も、いちいち決まっているし。