下町 vs. 理想都市

石黒正数それでも町は廻っている』1巻(少年画報社・YKコミックス)

下町で女子高生(探偵っぽい事スキー)で……ばあちゃんの経営するメイドらしき喫茶店
えーと、パノラマ島なんかの出てこない、地元商店街に密着した『菫画報』とゆー気もちょこっとするけど、どうでしょう?
映画『ガンヘッド vs. 地獄極楽丸』の試写会チケットなんてのも、ボンクラ世界なのであり。 …くっ、観たいじゃないか。


老若男女の区別なく、情け容赦のない顔描く人だなー。
歩鳥(ほとり)も普段はおもしろフェイスの癖してなぁ。
「アホの子にもガーターベルト」なることわざが、頭をよぎったの事ですよ。


      それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)  悪1013(あくとういちみ) (アフタヌーンKC)

小川雅史『悪1013(アクトウイチミ)』(講談社アフタヌーンKC

全編QUEENの…と言うよりフレディ・マーキュリーの歌った楽曲タイトルに彩られた、小川流アメコミ悪党漫画。

――絶対統治世界「パーフェクツ」
篭手(ゴントレット)と呼ばれる超人戦士たちに守護された、世界300もの理想都市“揺り篭(クレイドル)”。
そこに芽吹いた、あり得てはならない筈の「悪、参上」


こう、冒頭だけでも往年のギラギラした衝動(冷/熱)が伝わってはきませんかい。
扉絵の様式からして、アメコミの表紙まんまで凝り性&潔い。
語られなかったりしょーもない駄弁りの部分も含めて、悪党連中がパーフェクツの欺瞞に挑みつつ濃密に進行していく。


#4の、世襲制の篭手「銃士(←三銃士の、マスケティア)」・引退する祖母とその孫娘のエピソードなんて、それこそ『ワイルド・カード』か『アストロシティ』か…てなくらい背景を想像させる余地あり。 …ダルターニャがボクっ娘だからじゃないですよ?
#8「We Are The Champions」から以降、一気にコスチューム英雄揃いの最終決戦モードにもっていかざるを得ないのが、じっさい勿体無い位。


巻末描き下ろしの小品。 「治療師」ナイジェンのあの表情で締めるところが、刹那でこの作品にふさわしいかと。