「入場料だけで見せてやろう!」

キング・コング』(2005年、ピーター・ジャクソン監督)、レイトショーで観てきませり。
うさんくさ“フィルム狂”の劇中映画プロデューサー(ジャック・ブラック)、最高っ。 冒頭の大恐慌下のNY、ショービズ界の描写だけでもがっつり掴まれますた。
自分勝手に、コングとならんで双璧の主役かと。 凱旋後のにこやか二面に哭ける。


30年代秘境冒険譚としてはサービス過剰すぎな3時間20分で、
ステロを越えて無駄なくキャラ立ちした主役&脇役陣の数々(ジミー青年やへたれ男優)に惚れる。 どこのパルプ雑誌+α だ。
大惨事必定なのに、直接血を見ないR指定の枠内というほがらかさ(嘘)が、かえってタチ悪いです。 “土人”をタカタカ蹴散らしたり、あああ谷底の蟲が蟲が。
もちろん、漢前なコング(つんでれ成分含む)や恐竜たちといった巨像役者たちも忘れてはなりません。 格好ええ。


アンはボードヴィル(寄席演芸)の歌って踊れる薄幸芸人…ちゅう設定が生きてて良かった。 脚本家ドリスコルは…まぁ、悪くないけど、当て馬、なので。
劇場の大画面とサラウンド音響にふさわしく、満漢全席ごちそうさまでした的に大堪能でした。 活劇・ロマンス・それに悪趣味の隠し味。
「そうして遺族には(以下略」 <決めセリフ


疑問符余談。 終盤に挿入される氷上のエピソード。
あの雪と橋と池で『バットマン・リターンズ』冒頭を連想したんだけど、なにか有名な元シーンがあったりするのかしらん?