いただきま蓮



「きょうは蓮の実を食すぞ! アーシー」
「……このバトル、今回関係ないですよね? こひる殿」
面妖なオブジェクトを囲んでの一戦は、浪漫。



「とはいっても、食すのは熟していない、こっちの青い実のほう。 古名(はちす)のとおり、蜂の巣のようじゃの」
「これに似た営巣をする、外星の社会性昆虫(小マゼラン雲由来)は、やっかいな交易相手として有名だったりします」



「こう、蓮の花托を裂いて、みどり色のドングリのような実を取り出す。 ……よっと(胡座)」
「見事なジュードーチョップでした」
花托はスポンジみたいで、意外とやわらかい。



「皮をむいて、なかの白い実を生のままいただく。 ほのかに甘みと苦みがある感じかの」
デンプン質の種子ということで、ほかにも煮たり炒めたりおかゆに乗せたり、甘納豆や餡に加工したりと食べ方いろいろ。 生薬として用いることもあるそうな。


――それでは、よい箸づかいを!