キスkissキスな女諜報員
>「お噂はかねがね」
スパイとして、それはどうなんだ?
きのう、お出かけ散髪ついでに買ったもの。
●竹本泉『トランジスタにヴィーナス』7巻(完)
…これ、ダブりじゃないかどうか迷った末に古本購入。 で、帰ってチェックしてみて…勝ったよ!
あとがきにもあるけど、変な異星人がわんさか登場する話があって、これを見逃して後悔したくなかったのが勝利の鍵でした。
『トゥインクルスターのんのんじー』『乙女アトラス』とおなじく、複製されたコピー地球がいっぱいある宇宙――その中でも列強地球諸国がしのぎを削る、中立の観光惑星リスボンが舞台。
中身の方はいつものごとく、連合の女スパイ=“周りに人死にをださない”イーナスが、女の子に「キスとかキスとかキスとか」しまくる臆面もない展開。 *1
「花の輝き」の護衛対象・姫様と侍女のくすくす笑いといい、異星人の紛争調停「オブザーバー」の現地リスボン人/新人諜報員(微妙なパラ能力者)/リスボン政府のややドジっこ役人とゆー3タイプコンボといい。
珍しく竹本泉の描くアクション(筋力強化)もあり。
…珍しいというか律儀といえば、いつもの のんのんガン(液体入りエネルギー拳銃。 命名@伊藤明弘)じゃなく、燃料水晶の影響を受けない反動銃使ってるんだ。
コピーされた地球のひとつ=正統政府が、世襲の国連事務総長をいただく絶対君主制だとかあっさり裏で書いておいて、表に出てくる部分は姫様と侍女のなにげない傷痕ばなしだったり、ネタ広がった遺伝因子だったり。
ここらのさじ加減が絶妙でくすぐられまくり。
■風野春樹「読冊日記」より、 『ウィリアム・テン短編集1』『ウィリアム・テン短編集2』(創元SF文庫) http://psychodoc.eek.jp/abare/200410c.html#26
追記
*1:1〜2巻あたりを読み返してみると、イーナスの性癖はまだそうでもない。 はなしは60年代B級スパイものから、列強宙軍艦艇「帆船もの」まで、あいかわらず趣味的に幅広い。