血滴の王女と、怪ぬいぐるみ
■光永康則『怪物王女』 2巻(講談社、シリウスKC)
ちょっと前から気になってたので2巻目購入。 おなじ王位継承を争う妹姫のシャーウッドや怪奇御三家の一角・吸血お嬢も登場してきて、静かに闇夜エンジン全開ちゅう。
怪奇映画の血脈とゆーか、思った以上に製作年代幅(?)とってバラエティ豊かに展開できるもんだなぁ、と感心。 密室モーテルあたりが最近のリメイク風になる のか。
人狼族のリザ・ワイルドマンが家名や戦士の矜持にこだわるあたり、ただの前衛腕力キャラならぬ見せ場が多くて美味しい。 死闘の“果て”にすっとコマが飛ぶあたりも。
静と動でいえば、「静」で時間を切り取るカットが上手いなぁ(ミニョーラっぽく)。 あと闇えろーいの極北だし、ボンクラも同居してる感じ。
噴進式モーニングスター(棘鉄球)といった、毎回の小道具にもこだわりを見せるけど、基本は刺客に対する「姫」の頭脳戦&王族の務め、というのが渋いです。 これに血の戦士=下僕のヒロくんが加わったり加わらなかったり。
最後にちと余談。 これの装丁デザインが格好よすぎるんですけど、特にクレジットがないので…もしかしたら作者自身の装丁?
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読んでいないんだけど、竹本泉のファンシーショップもの『かわいいや』
どっかのレビューで「多脚=12本足の猫のぬいぐるみ(蜘蛛プラス?)が出てきて、妙に気味悪かった」というのがあったけど…。
(以後、引っ掛かっていた)
つい今さっきピンと来た。 もしかして、あれだ。
サミュエル・R・ディレイニー『エンパイア・スター』に出てくる、悪魔猫(デビルキトゥン)のディクが元ネタ…か?
■『書物の帝国』内「アレフの彼方へ」より、『エンパイア・スター』 http://home.catv.ne.jp/dd/fmizo/empirestar.html
…幸運なことに、むかーし名古屋の古本屋街でお手軽に入手して読んでいた。 表紙の悪魔猫かわいい。
「足がいっぱい」がキモ可愛さの基準となると、パワーパフガールズのバブルス所有のオクティ(紫色のタコ)もそうだよなぁ。 …あれはナムコの『バラデューク』に出てくる、邪悪なオクティ族が元ネタかと。
ま、昨今ではクトゥルフもの異形ぬいぐるみもありますがっ。