カンフル

または正義の在り処?


攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』を観た。 電話での友人の評判がよかったので。
TVの第1シーズン「笑い男」の再編集版で、これがまた濃密に面白い。 要所の抜き出し方が上手いというか、あらためて俯瞰で眺めてみると事件の全体像が見えてきて。
情報戦・公安9課の相手としては相応しいですね、組織的巨悪との対峙。 TVシリーズ当時のエピローグは、妙に不気味な幕引きだったんですが。


      攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man [DVD]

もう全26話→2時間強の圧縮なので、美味しいところもバッサバッサ切り捨てまくり。 オンバ氏のチャットルームの回も無いし。(ただハッカーのベビールース≒タモリ似の番組に生出演してた王定春…の模倣? とゆーのは今さら発見)
ゲイリー・オールドマンもどきの狂犬がいる「麻取(麻薬取締局)の強制介入班」なんてセリフ、初見だと聞き取れないこと確実。 米帝(←本当に帝国)のエシュロンやら海自の特務・海坊主なんて用語も丸転がしのまま。
…いっぺん通しで観ているから、ドライブに乗れている の か な 。


なにかと生臭く魑魅魍魎も見え隠れする現世で、“青臭い”理想や正義をかかげてもいた「笑い男」が模倣/劣化コピー/利用/伝播されていく過程が白眉かと。
妻子もちのトグサやらバトー(〜荒巻課長)への流れは判りやすいけど、草薙少佐はああいう女ですけん。 非・ロマンチスト。
薬事審議会のあの人に立ち会う雨のシーンでの、バトーには見えない彼、という構図は視点の逆流があっていいな。
タチコマの、ベタに魂(ゴースト)熱い展開はクールな攻殻にとって有効ですね。


士郎正宗のでもなく、押井守のでもない。
攻殻SACは映像化されたものの中では、わりと最良の部類に入るのではなかろか。
そうそう…CGパートで、奥行きの圧縮(最近知ったことば)が時々出来ていないのは気になった、よ。 ←余計な一言


次は2nd GIG・「個別の11人」編〜。