落語と妖怪と空想科学フィクション
佐藤明機(あきとき)の新装版『ビブリオテーク・リヴ』(コスミック出版)を読了。
ああ、こりゃいい噺集〜こっそり年代記SFの一幕だ。
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前作『楽園通信社綺談』が、不意に稲生物怪だったり投げっぱなしオチだったりして戸惑うことも多かったのに比べると、小品として格段に綺麗に落ちるよう――あるいは浮遊していくようになっている。 話の転がし方に余裕がでてきたというか…もちろん馬鹿ネタもあり。
新聞やラジオといった、適度に黄昏た文明の生活レベルも、がつがつとしてなくてよい。
フェティッシュ(…靴下?)というのを呪物・物神崇拝の域にまで拡大すると、この漫画のトーンに近くなるかも。 タイプライターに牛乳缶に廃船置き場。
カメラ=万年筆ちうか、モダンと江戸前がごっちゃになった趣味的小宇宙とも。
司書兼小間使いのショーシャ606(機械化人格・有機系体殻)が、ダンジョンで棘鉄球振り回したりしてもかわいげがあって好き好き。
■佐藤明機事務所 http://www14.plala.or.jp/batcave/
作者のサイト。 積み上がった違法建築群といったサンプル画像は、「×」ボタン内に。